ジョージア人の「親日感情」はどこからくるのか?

執筆者:前田弘毅 2019年4月8日
エリア: ヨーロッパ
クタイシ郊外にある「ゲラティ修道院」はユネスコ世界遺産に登録されているジョージアの代表的な建築(C)EPA=時事

 

 前回(ジョージア「宴会」に隠された「社交の極意」2019年3月14日)、ジョージアの宴会・乾杯文化を紹介した。人びとの絆を重んじる義理堅い国民性や異人を歓待するジョージアの伝統文化は、(理念型としても)日本の伝統的な価値観との親和性を強く感じさせる。実際に、ジョージアは知る人ぞ知る大の親日国である。

 今回はなぜジョージア人がかくも親日的であるのか、その理由について考えてみたい。そもそも親日国ということを初めて知る方々も多いかもしれないが、私見ではしっかりとした固有の歴史的理由が存在する。

カテゴリ: 社会 カルチャー
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執筆者プロフィール
前田弘毅(まえだひろき) 東京都立大学人文社会学部教授。プリンストン大学近東学部客研究員。1971年、東京生まれ。東京大学文学部東洋史学科卒業、同大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士(文学)。大学院在籍中にグルジア科学アカデミー東洋学研究所に留学。北海道大学講師・客員准教授、大阪大学特任助教・招へい准教授、首都大学東京都市教養学部准教授などを経て、2018年より現職。著書に『多様性と可能性のコーカサス』(編著、北海道大学出版会)、『ユーラシア世界1』(共著、東京大学出版会)、『黒海の歴史』(監訳)『コーカサスを知るための60章』(編著)『イスラーム世界の奴隷軍人とその実像』(ともに明石書店)、『グルジア現代史』(東洋書店)など。ブログはこちら【https://www.hmaeda-tmu.com/】。
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