「混沌」ブレグジット(下)イギリス「欧州議会選挙」参加の行方

執筆者:渡邊啓貴 2019年4月24日
エリア: ヨーロッパ
選挙は5月に迫っている(右はアントニオ・タイヤーニ欧州議会議長)(C)AFP=時事

 

 しかし他方で、英下院議会からの代替案の行方もまた見逃せない。

 メイ政府がEU(欧州連合)と合意した離脱協定に対抗する内容で、修正要求を含む提案だ。今のところ議会代替案は2回とも否決されてはいるが、次第に論点は絞られてきている。

 3月27日に下院に提出された8件の提案はいずれも否決され、4月1日にはそのうち4つの提案に絞って採決が行われた。その結果も、いずれも否決だったが、このうち「EU関税同盟に永久に残留」(賛成273票、反対276票)、「下院が可決した協定案の是非を国民投票にかける」(同280票、292票)についての票差は、それぞれ3票と12票だった。ほかの2案は、「EUの単一市場に残留、アイルランド国境問題解決まで関税同盟にも事実上残留」(同261票、282票)、「下院で離脱案の批准ができない場合には、合意なき離脱か、離脱の撤回かを採決する」(同191票、292票)だった。

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執筆者プロフィール
渡邊啓貴 帝京大学法学部教授。東京外国語大学名誉教授。1954年生れ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程・パリ第一大学大学院博士課程修了、パリ高等研究大学院・リヨン高等師範大学校・ボルドー政治学院客員教授、シグール研究センター(ジョージ・ワシントン大学)客員教授、外交専門誌『外交』・仏語誌『Cahiers du Japon』編集委員長、在仏日本大使館広報文化担当公使(2008-10)を経て現在に至る。著書に『ミッテラン時代のフランス』(芦書房)、『フランス現代史』(中公新書)、『ポスト帝国』(駿河台出版社)、『米欧同盟の協調と対立』『ヨーロッパ国際関係史』(ともに有斐閣)『シャルル・ドゴ-ル』(慶應義塾大学出版会)『フランス文化外交戦略に学ぶ』(大修館書店)『現代フランス 「栄光の時代」の終焉 欧州への活路』(岩波書店)など。最新刊に『アメリカとヨーロッパ-揺れる同盟の80年』(中公新書)がある。
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