ベネズエラ「反政府決起」失敗で急がれる平和解決への道

執筆者:遅野井茂雄 2019年5月21日
カテゴリ: 国際 政治 社会
エリア: 中南米
5月20日にはマドゥロ大統領の「再選1周年」を祝う式典が開かれた(C)AFP=時事

 

 4月30日、フアン・グアイド国会議長が「国家諜報機関(SEBIN)」のトップを巻き込んで主導した反政府決起の試みは失敗に終わった。

 1月23日に国会議長が暫定大統領に就任を宣言して以来、政権の正統性をめぐり国際社会を二分し「破滅的な膠着状態」(英『フィナンシャル・タイムズ』)に陥った中で、これまでにない軍の幹部が関与しての蜂起の呼びかけであった。

 2014年の反政府蜂起で政治犯として逮捕され、2017年から自宅軟禁となっていた野党指導者レオポルド・ロペス氏が、諜報機関により解放され、国会議長とともに姿を現したのも効果的だった。軍内「クーデター」によるニコラス・マドゥロ大統領退陣かと思わせたが、翌日のメーデー以降連日続いた反政府抗議行動の攻勢を経ても、軍内に追随する反政府の流れをつくり出すには至らず、治安部隊による弾圧で反政府デモも急速に萎む形となった。

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執筆者プロフィール
遅野井茂雄 筑波大学名誉教授。1952年松本市生れ。東京外国語大学卒。筑波大学大学院修士課程修了後、アジア経済研究所入所。ペルー問題研究所客員研究員、在ペルー日本国大使館1等書記官、アジア経済研究所主任調査研究員、南山大学教授を経て、2003年より筑波大学大学院教授、人文社会系長、2018年4月より現職。専門はラテンアメリカ政治・国際関係。主著に『試練のフジモリ大統領―現代ペルー危機をどう捉えるか』(日本放送出版協会、共著)、『現代ペルーとフジモリ政権 (アジアを見る眼)』(アジア経済研究所)、『ラテンアメリカ世界を生きる』(新評論、共著)、『21世紀ラテンアメリカの左派政権:虚像と実像』(アジア経済研究所、編著)、『現代アンデス諸国の政治変動』(明石書店、共著)など。
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