参院選直前【特別対談】森功×大西康之:「官邸官僚」が支配する「安倍一強」の功罪を問う(下)

執筆者:森功
執筆者:大西康之
「官邸主導政治は悪いことではないのですが」(森氏)
「官邸が人事で官僚を牛耳っているんですね」(大西氏)

 

大西康之 不思議に思うのですが、安倍政権を支えるそうした官邸官僚の中に、財務官僚がいませんね。これは僕の長年の持論でもあるのですが、本来、宰相というのは優秀な財務官僚をそばに置くべきだと思うのです。何となれば、政治家にとって一番大事なのは選挙でしょう。選挙に落ちればただの人ですから。選挙で通るためには、やっぱり金をばら撒きたいわけです。だから、放っておくと政治家というのは無尽蔵にばら撒く。業者業界に金と利権をばら撒いていれば自分の権力は安泰だと思うから、どこまでも際限なく配ってしまう。それを戒めるために金庫番を置いて、「いや殿、なりません。それ以上は蔵がもちません」ということを、一線を越えそうだったら言ってくれと。賢明な宰相というのは、そういう意味で優秀な財務官僚をそばに置いてきたし、財務官僚、かつての大蔵官僚出身の秘書官たちもそういう意識で殿に仕えてきていた。

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執筆者プロフィール
森功 1961(昭和36)年、福岡県生まれ。ノンフィクション作家。岡山大卒。「週刊新潮」編集部などを経て独立。2008年、2009年に「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」を連続受賞。2018年『悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』で大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞を受賞。『黒い看護婦』『ヤメ検』『同和と銀行』『大阪府警暴力団担当刑事』『総理の影』『日本の暗黒事件』『高倉健』『地面師』など著作多数。最新刊は『官邸官僚』。
執筆者プロフィール
大西康之 経済ジャーナリスト、1965年生まれ。1988年日本経済新聞に入社し、産業部で企業取材を担当。98年、欧州総局(ロンドン)。日本経済新聞編集委員、日経ビジネス編集委員を経て2016年に独立。著書に「稲盛和夫最後の闘い~JAL再生に賭けた経営者人生」(日本経済新聞)、「会社が消えた日~三洋電機10万人のそれから」(日経BP)、「東芝解体 電機メーカーが消える日」 (講談社現代新書)、「東芝 原子力敗戦」(文藝春秋)、「ロケット・ササキ ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正」(新潮文庫) がある。
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