対イランで米国ついに「中国制裁」の効果と影響

航行の安全が脅かされれば日本のエネルギー事情にも重大な影響が出てくる(写真はイメージです)

 

 6月末、米国が「制裁免除」を5月初めに中止してから初めてのイラン原油が中国に輸入された、というニュースが流れた(たとえば『フィナンシャル・タイムズ』=FT=2019年6月26日「China defies US sanctions by tapping Iran oil supply」)。

 これが「制裁違反」なのかどうかは不確実だ、として筆者は、本欄に『やっぱりあったイラン・中国「秘密取引」』(2019年6月28日)を投稿した。なぜなら、中国はイランで石油開発事業に参画しており、同事業における取り分が20~30万BD(バレル/日)あるし、日本がサウジアラビアおよびUAE(アラブ首長国連邦)と行っている「産油国共同備蓄」のスキームに似た方式を採れば、イランに所有権を残したまま中国のタンクに大量の原油を貯蔵することが可能で、これらは共に直接的には米国の「制裁対象」にはならないからだ。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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