「平和構築」最前線を考える
(11)
トランプ政権の「揺らぎ」が招く「アフガン和平交渉」の行き詰まり

2017年9月、ニューヨークで会談したガニ・アフガニスタン大統領(左)とトランプ米大統領(右)(C)AFP=時事
「9.11」テロ攻撃からちょうど18年が過ぎようとしていた9月7日、ドナルド・トランプ米大統領がツイッターで、アフガニスタンのタリバン勢力との和平交渉の崩壊を宣言した。大統領別荘であるキャンプデービッドにタリバン指導者層とアシュラフ・ガニ大統領を招く予定もあったことも明かし、波紋を呼んだ。
トランプ大統領によれば、交渉崩壊の原因は、米兵1名が死亡した9月5日に起こったカブールでの自爆攻撃だという。しかし、この種の事件は、アフガニスタンでは決して珍しいものではない。トランプ大統領は、交渉の大詰めでこのような事件を起こすのは許せない、と本当に思ったのかもしれない。だが、タリバン指導部の高次元の政策決定で起こった事件だったようにも見えない。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン