灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(76)

執筆者:佐野美和 2019年11月4日
タグ: アメリカ 日本
エリア: 北米 アジア
まだ戦争前、家族そろって洋行から帰国した頃(下関市「藤原義江記念館」提供)
 

 サンフランシスコ以降の公演は中止を余儀なくさせられた藤原歌劇団一行は、現地の日系人たちの好意により寝るところと食べ物はどうにか確保できたが、日本に帰るためのお金も無いというありさまだった。

 更に、アメリカ公演のマネージャー同士の訴訟から、「契約不履行」という形で今度は義江が訴えられた。

 昭和28(1953)年11月30日の毎日新聞は、

〈藤原氏は65回の全米公演契約を22回しか実行しなかった。その間の公演のあっせんや宣伝費用5116ドルを返済して欲しい〉

カテゴリ: カルチャー
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top