38年ぶり「ローマ法王」訪日「長崎・広島」との深い「縁」

今年6月、「核廃絶」を訴える長崎、広島の高校生ら「高校生平和大使」とバチカンで謁見していたフランシスコ法王(C)EPA=時事
 

 ローマ法王フランシスコ(82)が、11月23日から日本を訪問する。ローマ法王の訪日は、1981年のヨハネ・パウロ2世以来38年ぶり、2度目となる。3泊4日の訪日のハイライトは24日で、被爆地の長崎と広島を訪れ核兵器の廃絶を訴える。

若き神学生と原爆

 フランシスコが外交政策の柱に据えているのが、環境問題と並んで核兵器の廃絶だ。それだけに被爆地を訪問する意味は大きい。また、個人的な思いもあるはずだ。というのは、フランシスコと日本を初めてつないだのは、広島だった。若き日に、核兵器が引き起こした惨状を広島で実体験をした人から生々しく聞いたのだった。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
秦野るり子(はたのるりこ) 1957年東京生まれ。江戸川大学教授。1982年、読売新聞社入社。経済部に配属され、農水省、流通業界、通産省(現経産省)、日銀などを担当。89年に国際部へ異動。ワシントン、ジャカルタ、ローマ特派員、国際部デスクなどを経て2008年から調査研究本部主任研究員。コロンビア大学ジャーナリズム大学院客員研究員、カリフォルニア大学バークレー校ジャーナリズム大学院客員講師も務め、2016年から富山国際大学教授、2019年から現職。著書に『ローマ法王2年目の挑戦』(読売新聞社)、『バチカン』(中公新書ラクレ)、『悩めるローマ法王 フランシスコの改革』 (中公新書ラクレ)などがある。
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