新・マネーの魔術史:未来篇 (13)

マネーの運営に人間の管理者は必要か

執筆者:野口悠紀雄 2019年12月12日
エリア: その他
リブラ公式HPより
 

 ビットコインは管理者なしで運営されている。その意味で、マネーの世界における極めて大きな変革だ。そもそも、マネーの供給を中央銀行が恣意的にコントロールするのが望ましいか否かについては、本質的な疑問がある。

最初に登場したDAO

 これまで、送金などの業務は、銀行という信頼を確立した機関が管理することによって行われてきた。

 ところが、ビットコインでは、コンピューターネットワークが取引の正しさをチェックする。そして、データはブロックチェーンに記録されるため、書き換えることができない。このため、管理者なしで運営されている。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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