イランは意図的に米軍部隊を目標から外した:ミサイルの精度向上に驚く米専門家

執筆者:春名幹男 2020年1月10日
エリア: 中東 北米
イランからイラク駐留米軍基地に向けて発射されるミサイル。だが米兵を傷つけることはなかった[イランプレス提供](C)AFP=時事

 

 世界が固唾を呑んで注視した、イランによるイラク駐留の米軍部隊へのミサイル攻撃。カセム・ソレイマニ司令官殺害の報復として全面戦争に発展か、と懸念された。

 しかし、現実はそんな攻撃とはならなかった。

 イラン側は「死者80人」と公式発表したが、事実ではなく、実際には米軍の死傷者を出さないため「意図的に」ミサイルの着弾目標を外していたとの見方で、米専門家らは一致している。実はイランは着弾目標を選別するほどの技術を持っていたのだ。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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