
津波の被災から間もない、2011年3月19日の陸前高田市内(筆者撮影、以下同)
東日本大震災の津波でわが子を奪われた母親たちの心の軌跡をたどる本連載の【石巻編】を、昨年5月から6月にかけて6回で紹介させてもらった(連載一覧はこちらから)。
被災地の遺族たちは、どんな思いで再び立ち、あの日からの歳月を生き、世の「復興」なる言葉を聞き、かけがえのない家族の喪失と向き合ってきたのか――。
震災から丸9年となる岩手県の陸前高田を訪ねた。
「後は頼む」と言い残し
〈国土交通省のヘリコプターの空撮映像によると、陸前高田市は全域が泥流に覆われ、建物が見えない。壊滅状態と言える。わずかに残ったコンクリートの建物の周辺でも人の姿が確認できない〉

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