
15歳で過激派組織「イスラム国」に加わり、「ジハードの花嫁」となった英国人のシャミマ・ベグム。彼女が英国に帰国できる日は来るのか…… (C) AFP=時事
英国の欧州連合(EU)離脱を巡る昨年後半の騒ぎから、今年に入っての「新型コロナウイルス問題」へと、欧州での関心が目まぐるしく変化する中で、以前しきりに叫ばれた「テロの脅威」を最近、あまり耳にしない。
シリアからイラクにかけて一時広大な支配地を確保した過激派組織「イスラム国」が昨年事実上崩壊し、彼らが支援するテロリストの動きも沈静化したことで、大規模テロの恐れは遠のいたと思われている。実際、散発的な出来事ならともかく、2015年にフランスで相次いだ風刺週刊紙『シャルリー・エブド』襲撃事件やパリ同時多発テロのようなスペクタクルを準備する余力は、彼らに残っているようには思えない。

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