饗宴外交の舞台裏 (265)

日本の「農産物・食文化の発信」安倍首相の評価されるべき「饗宴外交」スタイル

執筆者:西川恵 2020年9月8日
カテゴリ: 政治
エリア: アジア
今年2月10日の夕食会で乾杯をするエストニアのラタス首相(中央)と安倍首相。これが首相としての最後の晩餐会だった (C)時事

 

 この7年8カ月の安倍政権を特徴づけるものに、活発な首脳外交がある。地球儀を俯瞰した外遊は81回を数え、訪れた国・地域は延べ176カ国。逆に、日本に迎えた外国首脳の数も半端でないが、特におもてなしの饗宴外交で、1つのスタイルを確立したことはもっと知られていい。

興味深いどんぶりもの

 安倍第2次政権が発足して以降(2012年12月~)、安倍晋三首相が外国首脳を歓迎する晩餐会(または午餐会)をもった回数は、ざっと209回。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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