【特別コラム】コロナと生きるということ(4)分断がすすむ社会

執筆者:内山節 2020年11月29日
エリア: アジア
 

 原因についてはさまざまな説があるが、日本をふくむ東アジア地域では、欧米やインド、南米などと比べて、新型コロナウイルスの感染者数も、重症者数や死者数もかなり少ない数字で推移している。

 そんなこともあって日本では、感染防止と経済活動の活発化をどう両立させていくのかが検討課題の中心に移りつつある。とともにアフター・コロナ、ポスト・コロナという言葉も使われるようになり、コロナ以降の社会のあり方についても議論されるようになってきた。

 といっても、コロナ以降というのは想定しにくい。なぜなら新型コロナが地球上から消え去るのは不可能だと思われるからである。おそらくそれは、風邪やインフルエンザウイルスと同じように、変異しながらその活動を持続させていくことになるだろう。

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執筆者プロフィール
内山節(うちやまたかし) 哲学者。1950年、東京生まれ。群馬県上野村と東京を往復しながら暮らしている。著書に『「里」という思想』(新潮選書)、『新・幸福論』(新潮選書)、『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』(講談社現代新書)、『修験道という生き方』(共著、新潮選書)、『いのちの場所』(岩波書店)、『内山節著作集』(全15巻、農山漁村文化協会)など多数。
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