国際人のための日本古代史 (130)

藤原氏に利用され恨みを買った「文武天皇」の悲哀

執筆者:関裕二 2020年12月8日
タグ: 日本
エリア: アジア
文武天皇の哀しみに思いを馳せてみては(中尾山古墳。まるえつさん撮影、以下同)
 

 奈良県高市郡明日香村の8世紀初頭の中尾山古墳が、第42代・文武天皇(683~707)の陵墓だった可能性が高まった。明日香村教育委員会と関西大学の調査によって墳丘が3段の八角形だったことが確かめられた。7世紀以降の天皇陵の形だ。文武天皇の祖父母、天武天皇と持統天皇が合葬された野口王墓(のぐちのおうのはか)も、八角形だった。

 2020年11月28、29日に開かれた現地説明会には大勢の歴史愛好家が集まり、注目を浴びているが、文武天皇の悲劇的な人生に思いを馳せた人は、どれほどいたのだろう。

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カテゴリ: 政治 カルチャー
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執筆者プロフィール
関裕二(せきゆうじ) 1959年千葉県生れ。仏教美術に魅せられ日本古代史を研究。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。著書に『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『物部氏の正体』、『「死の国」熊野と巡礼の道 古代史謎解き紀行』『「始まりの国」淡路と「陰の王国」大阪 古代史謎解き紀行』『「大乱の都」京都争奪 古代史謎解き紀行』『神武天皇 vs. 卑弥呼 ヤマト建国を推理する』など多数。最新刊は『古代史の正体 縄文から平安まで』。
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