中国に勝てないから同盟国を巻き込む:アラスカ会談の実相を読む

執筆者:杉田弘毅 2021年3月25日
エリア: アジア 北米
厳しい姿勢で中国との会談に臨んだ、米国のブリンケン国務長官(右から2人目)とサリバン国家安全保障問題担当大統領補佐官(右)(C)AFP=時事

 

激しい言葉の応酬となった、アラスカ・アンカレジでの米中外交トップ会談。毅然たる姿勢を見せた米国に「強さの復活」を見る向きもあるが、ことはそれほど単純ではなさそうだ。分析を重ねて見えてくるのは、あらゆる分野で中国の勢いを抑えられない米国の姿――。

 米中外交トップがアラスカで行った会談は現在の両国関係を象徴する丁々発止のやりとりで世界の聴衆を沸かせた。中国に甘いとされていたジョー・バイデン政権がタフに振る舞い中国側を怒らせたことへの喝采も広がっている。だが派手な会談の陰に隠れたいくつかの実情を見れば、そうした満足感は消えてしまう。中国の勢いはあらゆる面で露わだからだ。日本が米国を支えるのは当然だが、米外交トップがアラスカで語った「熾烈な競争」を過信するのは禁物だ。

カテゴリ: 軍事・防衛 政治
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執筆者プロフィール
杉田弘毅 共同通信社特別編集委員。1957年生まれ。一橋大学法学部を卒業後、共同通信社に入社。テヘラン支局長、ワシントン特派員、ワシントン支局長、編集委員室長、論説委員長などを経て現職。安倍ジャーナリスト・フェローシップ選考委員、東京-北京フォーラム実行委員、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科講師なども務める。著書に『検証 非核の選択』(岩波書店)、『アメリカはなぜ変われるのか』(ちくま新書)、『入門 トランプ政権』(共同通信社)、『「ポスト・グローバル時代」の地政学』(新潮選書)、『アメリカの制裁外交』(岩波新書)など。
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