岩瀬昇のエネルギー通信 (355)

気候変動サミット開幕:日本は「持たざる国」の現実から戦略を描け

執筆者:岩瀬昇 2021年4月22日
エリア: その他
気候変動サミットで菅首相の発言に耳を傾けるバイデン大統領ら(4月22日、ホワイトハウスのライブ配信映像より)

 初の日米首脳会談を終えた菅義偉首相は、ジョー・バイデン大統領と並んで行った共同記者会見において、筆者の関心事である「気候変動問題」について次のように語ったと『NHK』が報じている(2021年4月17日7:08「【詳報】日米首脳会談共同会見 菅首相発言」)。

〈気候変動については、来週予定されているアメリカ主催のサミットをはじめ、COP26およびその先に向けて、日米で世界の脱炭素をリードしていくことを確認した。また、パリ協定の実施、クリーンエネルギー技術、途上国の脱炭素移行の各分野での協力を一層強化していくために、バイデン大統領と、脱炭素化やクリーンエネルギーに関する『日米気候パートナーシップ』を立ち上げることでも一致した。これらのイニシアチブのもとに具体的で包括的な日米協力に弾みをつけていきたい〉

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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