物価目標達成は遠く…黒田日銀が見つけた「気候変動オペ」という奇手

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執筆者:鷲尾香一 2021年7月26日
タグ: マネー 日本 日銀
エリア: その他
2%物価目標は“ポスト黒田”にも引き継がれるか  ©︎AFP=時事
黒田東彦総裁の任期は23年4月まで。欧米中央銀行が金融緩和の見直しに動く中で、気候変動オペは事実上の金融緩和策という役割を担うことになるだろう。

 日銀は7月16日、新たに「気候変動対応を支援するための資金供給」(以下、気候変動オペ)を導入することを発表した。世界が脱炭素に進み始め、多くの中央銀行が気候変動対策に取り組む動きに足並みを揃えた格好だが、その背後には日銀の思惑も透けて見える。

 簡単に気候変動オペを説明すると、「気候変動に対応するための取り組みを行っており、その内容について一定の開示を行っている企業」を対象に、日銀が“銀行を通じて支援”するというもの。

カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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執筆者プロフィール
鷲尾香一(わしおこういち) 金融ジャーナリスト。本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。
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