
中央政策研究室主任を長年務めた王滬寧氏(右)は、指導者の意向を理論化する上で大きな役割を果たしてきた ⓒAFP=時事
習近平総書記は、2017年秋に開かれた第19回党大会において、2050年頃までに実質、アメリカに並ぶことを宣言し、チャイナ・モデルは欧米モデルに代わる新たな選択肢となり得ると豪語し、アメリカを強く刺激した。これは「中華民族の偉大な復興」という「中国の夢」の具体的中身の説明なのだが、実は「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」、つまり「習近平思想」の重要な構成部分の一つでもあった。しかも、この「習近平思想」は、共産党にとっては憲法に当たる党規約に書き込まれた。ついにマルクス・レーニン主義、「毛沢東思想」、「鄧小平理論」、「“三つの代表”重要思想」(江沢民)、「科学的発展観」(胡錦濤)と並ぶ、共産党の指導理念となったのだ。

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