シンガポール「外国人労働者問題」が日本へ警鐘を鳴らす

執筆者:久末亮一 2021年11月17日
カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
エリア: アジア
シンガポール経済が直面する人材不足(写真はイメージです)
シンガポールの人材不足が問題になっている。外国人労働者に依存した社会運営が国民の不満を招いたため、企業に国民の雇用を促す「シンガポーリアン・コア」制度を導入した結果、さらなる副作用が生じた。政府は民意と経済成長のジレンマで難しい選択を迫られている。

 

「シンガポーリアン・コア」とは何か?

 もし日本の労働人口のうち、外国人が約37%を占めていたら、そして、それが自分の雇用を脅かす存在であるとしたら、どのように考えるであろうか?

 こうした問題が現実となって葛藤を抱えているのが、東南アジアの都市国家シンガポールである。

 シンガポールは東京23区を一回り大きくした島に、約545万人強の人口が暮らす。しかし、約27%に当たる約146万人強が永住権をもたない外国人で、そのうちの86%が労働人口である。そこからは、シンガポールが、外国人労働力に大きく依存している姿が浮かび上がる。実際、シンガポールは長らく、外国人労働力を積極活用して経済発展を有利に進めたと言われてきた。

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執筆者プロフィール
久末亮一 日本貿易振興機構(JETRO)アジア経済研究所 開発研究センター 企業・産業研究グループ 副主任研究員。学術博士(東京大学)。香港大学アジア研究センター客員研究員、東京大学大学院総合文化研究科助教、政策研究大学院大学安全保障・国際問題プログラム研究助手などを経て、2011年から現職。主な著書に『評伝 王増祥―台湾・日本・香港を生きた、ある華人実業家の近現代史』(勉誠出版、2008年)、『香港 「帝国の時代」のゲートウェイ』(名古屋大学出版会、2012年)、『転換期のシンガポール――「リー・クアンユー・モデル」から「未来の都市国家」へ』 (日本貿易振興機構アジア経済研究所、2021年)がある。
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