ポストCOP26経営、勝者の条件:「1.5度」「スコープ3」でマネーが企業を選別する

執筆者:小平龍四郎 2021年12月16日
マーク・カーニー国連機構問題担当特使はGFANZを強力に主導する ⓒAFP=時事
COP26は、民間金融機関が気候変動問題の第一線に躍り出た記念すべき会議と言えるだろう。世界金融資産の4割を保有する「GFANZ」の誕生で投資先を選別する動きが加速。企業は自社のビジネスモデルやすべての取引関係を含め、対応する必要がある。

 10月末から11月にかけて英グラスゴーで開かれた第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)は、金融システムや企業経営に大きな影響を与える。会議で合意された「1.5度目標」は金融機関と企業が目配りしなければならない領域を広げ、リスク管理の在り方も変えていくだろう。キーワードは「1.5度」と「スコープ3」だ。

 COPには毎回参加しているが、今年は政府関係者や環境団体、非政府組織(NGO)などの常連だけでなく、新しい顔ぶれが目につく。銀行や保険、資産運用会社など金融機関の面々だ――。グラスゴーに集った多くの人たちは、こんな感想を口にした。

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執筆者プロフィール
小平龍四郎(こだいらりゅうしろう) 日本経済新聞社論説委員兼編集委員。1988年、早稲田大学第1文学部卒。同年、日本経済新聞社入社。証券部記者として「山一証券、自主廃業」や「村上ファンド、初の敵対的TOB」「カネボウ上場廃止」などを取材。欧州総局、論説委員、アジア総局編集委員、経済解説部編集委員などを経て現職。日経本紙コラム「一目均衡」を10年以上執筆している。著書に『グローバルコーポレートガバナンス』『アジア資本主義』『ESGはやわかり』(いずれも日本経済新聞出版社)がある。
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