結局、検証不在の作文だけ? 「当たり前」しか見当たらない「感染症危機管理庁」

執筆者:磯山友幸 2022年6月20日
エリア: アジア
新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で発言する岸田文雄首相(左から2人目)=6月17日 (C)時事
霞が関の論理では、新型コロナ対策は「うまく乗り切った」で済まされかねない状況だ。有識者会議の報告書には経緯の検証要素が見当たらず、岸田首相の唐突な「感染症危機管理庁」設置表明はそもそもこの議論を踏まえてもいない。一連の動きが参院選向けパフォーマンスでないと言うなら、選挙後に「感染症危機管理庁」が強い権限を持つ形の法案を作るべきだ。

「次のパンデミックでは今度は子どもがバタバタ死ぬでしょう。そうなれば国は滅びますね」

 感染症の専門家はそう不気味な警告をする。今回の新型コロナウイルス感染症は高齢者の死亡率が圧倒的に高かったが、歴史的に見ると、子どもの死亡率が高い感染症が幾度も人類を襲ってきた。最大の脅威だった天然痘は根絶されたが、世界で広がりを見せる「サル痘」や、原因不明の子どもの急性肝炎など、専門家の警告を大袈裟だと一笑に付すことができない不気味さを感じる。

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執筆者プロフィール
磯山友幸 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト活動とともに、千葉商科大学教授も務める。著書に『2022年、「働き方」はこうなる』 (PHPビジネス新書)、『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、『破天荒弁護士クボリ伝』(日経BP社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)、『「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP社)などがある。
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