仕組み債のエグい組成業者に「製造物責任」を問え

IN-DEPTH【ニュースの深層】

執筆者:浪川攻 2022年10月19日
タグ: マネー
金融庁のモニタリングに証券会社や銀行からは悲鳴も上がるが…(写真はイメージです)
表面利率が数十%という仕組み債すら出回ったが、そんなボランティアのような商品が善意で作られるはずがない。ノックインした場合、オプション取引を仕込んだ組成業者の顧客に利益が転がり込むことが疑われる。過熱する販売面をめぐる報道だけでは、仕組み債問題の本質には切込めない。(関連記事『トラブル続出「仕組み債」のリスクと“カモり”の手法を解説する』

 仕組み債を巡る報道が過熱する一方である。

「●●銀行が販売停止」「▲▲証券が販売停止を検討中」等々、いまや何が問題なのかを掘り下げないまま、販売会社の固有名詞を並べている。あたかも「仕組み債祭り」である。

「オプション搭載型のハイリスク証券」と呼ぶべき仕組み債の問題には、二つの側面がある。ひとつは販売面での問題だ。ここにもメディアが書き立てる内容以上に罪深い要素があるのだが、本稿では、ほとんど報じられない組成プロセスについて掘り下げておきたい。

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カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
浪川攻(なみかわおさむ) 1955年東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌などで編集・記者として活躍し、2016年4月フリーに。著書に『証券会社がなくなる日 IFAが「株式投資」を変える』『ザ・ネクストバンカー 次世代の銀行員のかたち』(以上、講談社現代新書)、『地銀衰退の真実 未来に選ばれし金融機関』(PHPビジネス新書)、などがある。
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