「芯のない男」マッカーシー下院議長の虎の子「中国特別委員会」

執筆者:杉田弘毅 2023年1月19日
エリア: 北米
「芯のない男」と揶揄されるマッカーシー氏は「中国叩き」で「偉大な政治家」をアピールする(c)AFP=時事
就任早々に設置した中国特別委員会には政治基盤を固める意図が見え、台湾訪問の意向も示している。ただし、状況に応じて主張を変えるマッカーシー氏の「中国叩き」は、ペロシ氏のような信念には基づかない。米軍の関与を嫌う世論が高まれば、マッカーシー氏がそれに乗るのは確実だ。台湾問題をめぐって中国の軍事的圧力の矢面に立つ可能性がある日本は、同氏とのパイプ作りが重要になる。

 

 15回もの投票の末に選出されたケビン・マッカーシー米下院議長は異例の弱い議長としてスタートした。20年前カリフォルニア州議員に初当選して以来あらゆることに譲歩を重ね、「芯のない男」と呼ばれるマッカーシーだが、最近は中国に対するタフさを信条としている。下院議員歴16年という比較的若手の新議長は、党内強硬派と民主党に挟まれて多数派を握れていない。綱渡りの議会運営を強いられる中で、「反中国」を看板に難局突破の活路を見出しそうだ。それは日本にとって吉と出るか、凶と出るか。

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カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
杉田弘毅 共同通信社特別編集委員。1957年生まれ。一橋大学法学部を卒業後、共同通信社に入社。テヘラン支局長、ワシントン特派員、ワシントン支局長、編集委員室長、論説委員長などを経て現職。安倍ジャーナリスト・フェローシップ選考委員、東京-北京フォーラム実行委員、明治大学特任教授なども務める。多彩な言論活動で国際報道の質を高めてきたとして、2021年度日本記者クラブ賞を受賞。2021年、国際新聞編集者協会理事に就任。著書に『検証 非核の選択』(岩波書店)、『アメリカはなぜ変われるのか』(ちくま新書)、『入門 トランプ政権』(共同通信社)、『「ポスト・グローバル時代」の地政学』(新潮選書)、『アメリカの制裁外交』(岩波新書)など。
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