Weekly北朝鮮『労働新聞』 (36)

イスラエル・パレスチナ情勢を連日報道、「全的に米国によって招かれた悲劇」と批判(2023年10月22日~10月28日)

執筆者:礒﨑敦仁 2023年10月30日
エリア: アジア 中東
10月20日にヨルダン川西岸のヘブロンで行われた、ガザ住民を支援するパレスチナ人のデモでは、金正恩の肖像も掲げられた (C)REUTERS/Yosri Aljamal
ロシアによるウクライナ侵略がもたらした露朝急接近と同様に、中東問題が北朝鮮情勢に及ぼす影響も注目される。『労働新聞』注目記事を毎週解読
 

 10月26日付第1面最下段に「道(直轄市)、市(区域)、郡の人民会議代議員選挙のための区、分区選挙委員会組織」と題する小さな囲み記事が掲載された。4年に1回実施されてきた地方選挙は、前回選挙より4カ月遅れの11月26日に実施することが既に発表されている。今回は6月の朝鮮労働党中央委員会全員会議(総会)で提議された新しい選挙制度に基づいたものとなるため、その内実が注目される。

 最近のイスラエル・パレスチナ情勢を受け、23日付第6面に「中東の事態の張本人は米国である」と題する朝鮮中央通信社論評が掲載された。「全面戦争に拡大されうる危険を内包している中東の事態は、全的に米国によって招かれた悲劇であるというのが、国際社会の一様な声」「世界世論は、独善的で二重基準的な米国の対外政策をもって地球上の安定と安全が脅威にさらされていると警告している」などと述べている。……

 

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、共著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)など。
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