UFJ銀行が「絶対格差」にのみ込まれる日

執筆者:安西巧 2004年2月号
タグ: 日本

金融支援で延命した企業、延命させた銀行。いずれもライバルとの格差は広がるばかりで、その差は絶対的になりつつある。「懸案事項は今回一気に処理した。環境の変化をすべて見通すことはできないが、これ以上追加的な損失が発生することはない」 多くの企業にとって「仕事納め」だった十二月二十六日、ミサワホームホールディングスの水谷和生社長は緊急会見を開き、二〇〇四年三月期の連結純損益が千二百七十億円の赤字となる見通しと発表した。同社はわずか一カ月前に三十億円の純利益を確保すると明らかにしたばかり。小出しの損失処理で下方修正を繰り返してきた前歴を問い質され、苦しげに答えたのが冒頭の発言である。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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