3.11以後、各国の駐日大使館はナショナルデーのレセプションを控えてきた。その国にとって最大の祝典だが、震災で日本人が苦心惨憺しているとき不謹慎と受け止められかねないとの配慮からだ。
例えば英国(4月21日)は中止、イタリア(6月2日)は日本在住イタリア人だけを招いた内輪の集まりにとどめた。いつもは最多の招待者を集める米国(7月4日)も規模を縮小した。
そうした自粛ムードの中、フランスは革命記念日の7月14日、1400人を招いた大々的なレセプションを催した。それも会場は例年のように東京都港区の大使公邸ではなく福島県郡山市内を選んだ。しかも招待者の半数は東日本大震災と原発事故の被災者だった。

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