国際人のための日本古代史
国際人のための日本古代史 (29)

久渡古墳群が伝える「ヤマト」と「前方後方墳勢力」の関係

執筆者:関裕二 2012年8月9日
タグ: 中国 日本

 奇妙な遺跡が出現した。
 奈良県北西部、奈良盆地の西側、久渡(くど)古墳群(奈良県北葛城郡上牧町)の久渡3号墳だ。古墳時代前期初頭(3世紀後半)の造営で、一辺が15メートルの方墳(四角い墳墓)、あるいは前方後方墳(前も後ろも方墳)と考えられている。中国製の銅鏡(後漢の画文帯環状乳神獣鏡。全国で30例目。奈良県で8例目)も埋納されていたから、有力者の墓であったことは間違いない。
 残念なことに、試掘調査時に重機を用い、久渡3号墳-5号墳の埋葬施設の一部は損壊され、埋葬施設の構造、副葬品の配置がわからなくなってしまった。ただ、遺跡の価値が失われてしまったわけではない。ヤマト建国の真相を今に伝える、面白い物証になりそうなのだ。

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
関裕二 1959年千葉県生れ。仏教美術に魅せられ日本古代史を研究。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。著書に『聖徳太子は蘇我入鹿である』(ワニ文庫)、『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『物部氏の正体』(以上、新潮文庫)、『伊勢神宮の暗号』(講談社)、『天皇名の暗号』(芸文社)、『「死の国」熊野と巡礼の道: 古代史謎解き紀行』 (新潮文庫)など多数。最新刊に『神武天皇 vs. 卑弥呼 ヤマト建国を推理する』(新潮新書)、『古代日本人と朝鮮半島』(PHP文庫)、『「始まりの国」淡路と「陰の王国」大阪: 古代史謎解き紀行』(新潮文庫)がある。
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