奇妙な遺跡が出現した。
奈良県北西部、奈良盆地の西側、久渡(くど)古墳群(奈良県北葛城郡上牧町)の久渡3号墳だ。古墳時代前期初頭(3世紀後半)の造営で、一辺が15メートルの方墳(四角い墳墓)、あるいは前方後方墳(前も後ろも方墳)と考えられている。中国製の銅鏡(後漢の画文帯環状乳神獣鏡。全国で30例目。奈良県で8例目)も埋納されていたから、有力者の墓であったことは間違いない。
残念なことに、試掘調査時に重機を用い、久渡3号墳-5号墳の埋葬施設の一部は損壊され、埋葬施設の構造、副葬品の配置がわからなくなってしまった。ただ、遺跡の価値が失われてしまったわけではない。ヤマト建国の真相を今に伝える、面白い物証になりそうなのだ。
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