饗宴外交の舞台裏
饗宴外交の舞台裏 (91)

耳を疑わせた韓国大統領のその言葉

執筆者:西川恵 2005年8月号
タグ: 韓国 日本
エリア: アジア

 韓国の盧武鉉大統領の口から「今日の夕食は軽めにする考えです」という言葉を聞いたとき、ソウルからのテレビ実況中継を見ていた私は耳を疑った。六月二十日、青瓦台で日韓首脳会談を終えた大統領と小泉首相が共同記者発表に臨んでいたときのことである。 両首脳がツーカーの間柄であるなら、夕食は気楽にとるという正直ベースの言葉だろう。 しかし両国関係がとげとげしいとき、「軽めにする」という言葉は全く別の意味をもつ。「あなたを歓迎しません」「もてなしのレベルを下げます」ということではないか。 靖国参拝問題などをめぐって関係が悪化して初めての首脳会談となった今回は、くつろいだ雰囲気を演出してきた従来の会談と違い、韓国側の意向で「ネクタイ着用」になった。また厳しい質問を封じるためか、これも韓国側の要望で質問を受けない共同記者発表になった。

カテゴリ: 軍事・防衛
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
西川恵 毎日新聞客員編集委員。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
クローズアップ
キャリア決済のお申し込み
フォーサイトのお申し込み
クローズアップ
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top