代償も多い「クリミア併合」のバランスシート

執筆者:名越健郎 2014年3月20日
エリア: ヨーロッパ ロシア

 3月18日のプーチン大統領のウクライナ領クリミア併合演説は、議員らのスタンディングオベーションで歓迎され、涙を流したり抱き合う議員もいた。大統領が「世論調査では、95%の国民が併合を支持している」と述べたように、ロシア全土が一種のユーフォリア(陶酔)状態だ。ソチ五輪成功で高揚する民族愛国主義が異様なほど高まり、プーチン大統領への個人崇拝の動きもみられる。全国で併合祝賀集会が開かれ、北方領土の国後島でもクリミア連帯集会が行われた。メルケル独首相はオバマ米大統領に対し、「プーチン大統領は別世界に住んでいるようだ」と述べたらしいが、大統領から国民まで陶酔状態ではまともな交渉はできそうもない。

カテゴリ: 国際 外交・安全保障
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執筆者プロフィール
名越健郎 1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)、『北方領土はなぜ還ってこないのか』(海竜社)など。
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