ブックハンティング・クラシックス
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「百年に一度の危機」に注目を集めるドイツの「社会的市場経済」
『社会市場経済の勝利』ルートヴィヒ・エアハルト著/菅良訳時事通信社 1960年刊(原著は57年刊行。現在は古書としてのみ入手可能)「闇市場は突如として姿を消した。陳列棚には商品が溢れ、工場の煙突は煙を吹きあげ、街々にはトラックがひしめいた。どこであろうと、至る所で廃墟の死の静寂の代わりに建築の騒音が鳴りひびいた。この再建の規模も驚くべきものであったが、その突然さにはもっと驚くべきものがあった。それは……通貨改革の日とともにただちに起こったのである。……その前日の夕方までは、ドイツ人はまだ情ないほどわずかな食料をすこしでもよけいに得ようとして、街々をあてどもなくさまよっていた。ところが……翌日には全国民が希望に満ちて将来を眺めたのであった」

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