それでも陳水扁政権は米国の嫌う住民投票にまっしぐら。米中台の「現状維持」認識のズレは危険だ。[ワシントン発]「これは受け取れない」 米国防総省の担当者に、台湾から派遣された武器購入の交渉担当者が「レター・オブ・リクエスト」と呼ばれる購入依頼書を渡そうとすると、突き返される事態が続いている。台湾の担当者が食い下がって理由を尋ねると、指で天井の方を指して「上(ホワイトハウス)の意向」を示唆して、首を横に振る――。 台湾は米国から改良型F16戦闘機を六十六機、一括購入する方針を決め、六月の立法院(国会)で特別予算を通した。特別予算は十月末が執行期限。その前に米国から価格提示を受けられなければ自然消滅する。台湾側ではすでに焦りを通り越し、あきらめのムードが漂う。

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