「遊民経済学」への招待 (13)

産業としての競馬の可能性

執筆者:吉崎達彦 2015年9月19日
エリア: ヨーロッパ アジア

 最近は夏の終わりが早い。残暑の季節に妙な長雨やら台風が相次いで、しまいには堤防決壊に伴う洪水まで招いてしまった。被災された方には衷心からお見舞い申し上げたい。

 が、それはそれ。ようやく秋らしい天気になってきた。そして先週末からは秋競馬が始まっている。筆者も主戦場たる中山競馬場に参戦しなければならぬ。

秋競馬が始まった中山競馬場内。

 日曜日、常磐線各駅停車の上り列車に乗って、新松戸駅で乗り換える。ここでエスカレーターに乗っている人々のうち、筆者も含めた少なからぬ比率が競馬新聞を手にしている。ああ、なんと恥ずべき光景であろうか。が、そんなことは言っていられない。武蔵野線に乗り換える間も惜しんで、赤ペンを手に今日のレースを検討する。最近はiPadで移動中に情報をチェックできるので、電車の中が勝負なのである。

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執筆者プロフィール
吉崎達彦(よしざきたつひこ) 双日総合研究所チーフエコノミスト。1960年(昭和35年)富山市生まれ。一橋大学社会学部卒業後、1984年日商岩井(現双日)に入社。米国ブルッキングス研究所客員研究員、経済同友会調査役などを経て現職。新聞・経済誌・週刊誌等への執筆の他、「サンデープロジェクト」等TVでも活躍。また、自身のホームページ「溜池通信」では、アメリカを中心に世界の政治経済について鋭く分析したレポートを配信中。著書に『溜池通信 いかにもこれが経済』(日本経済新聞出版社)、『1985年』(新潮新書)など、共著に『ヤバい日本経済』(東洋経済新報社)がある。
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