軍事のコモンセンス
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「脅威対抗防衛力」と「基盤的防衛力」
1976(昭和51)年から2004(平成16)年までの28年間、日本の防衛力は「基盤的防衛力構想」に基づいて構築されてきた。しかし、ミサイル防衛を導入した「16大綱」(平成17年度以降に係る防衛計画の大綱)では「基盤的防衛力構想の有効な部分は継承しつつ」という文言が残ってはいたものの、脅威対抗防衛力への変換が行われ、6年後の「22大綱」では「基盤的防衛力」という言葉は完全に消えてしまった。さらに「25大綱」以降の現代では、一般国民はもとより現職自衛官・退職自衛官同士の会話においてすら、この言葉を使う者がいなくなった。
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