
天下を「混一」した、元のクビライ。だがモンゴルはまた解体し、多元化が進んでいく
モンゴル時代の「混一」ということばは、象徴的である。字面だけでも、多くのものが「混」ざった、「混」在しているイメージを抱く。実際もそのとおりだった。13世紀後半、現実の「天下」では、世界の各地で開発がすすみ、地域の個性が増し、多元性はいよいよ高まっていたのである。
天下の「混一」と君主号
そうした各地の多様な個性を生かしながらも、それを深刻な相剋騒乱に転化させない。多元性を秩序づけ、互いを有機的に結びつけることが、モンゴル帝国の歴史的な使命だった。

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