「君主号」の世界史
「君主号」の世界史(10)

華夷秩序の天下

執筆者:岡本隆司 2018年8月4日
天下を「混一」した、元のクビライ。だがモンゴルはまた解体し、多元化が進んでいく

 

 モンゴル時代の「混一」ということばは、象徴的である。字面だけでも、多くのものが「混」ざった、「混」在しているイメージを抱く。実際もそのとおりだった。13世紀後半、現実の「天下」では、世界の各地で開発がすすみ、地域の個性が増し、多元性はいよいよ高まっていたのである。

天下の「混一」と君主号

 そうした各地の多様な個性を生かしながらも、それを深刻な相剋騒乱に転化させない。多元性を秩序づけ、互いを有機的に結びつけることが、モンゴル帝国の歴史的な使命だった。

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執筆者プロフィール
岡本隆司 京都府立大学文学部教授。1965年、京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。専門は近代アジア史。2000年に『近代中国と海関』(名古屋大学出版会)で大平正芳記念賞、2005年に『属国と自主のあいだ 近代清韓関係と東アジアの命運』(名古屋大学出版会)でサントリー学芸賞(政治・経済部門)、2017年に『中国の誕生 東アジアの近代外交と国家形成』で樫山純三賞・アジア太平洋賞特別賞をそれぞれ受賞。著書に『李鴻章 東アジアの近代』(岩波新書)、『近代中国史』(ちくま新書)、『中国の論理 歴史から解き明かす』(中公新書)、『叢書東アジアの近現代史 第1巻 清朝の興亡と中華のゆくえ 朝鮮出兵から日露戦争へ』(講談社)など多数。
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