灼熱 評伝「藤原あき」の生涯

灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(12)

執筆者:佐野美和 2018年10月8日
エリア: 日本
まだ髷を結っていた頃の藤原あき。正確な撮影年は不詳。この後、あきは波瀾万丈の人生を送ることになる(自伝『雨だれのうた』(酣燈社)より)

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「いいこと。贔屓の役者さんのお芝居に行った際は、相手から見つめられることもあるのですから、めいっぱい綺麗にして行くのですよ」

 あきは芦屋の名流夫人で構成される「阪神なのりそ会」の先輩夫人からこう教わった。

 あきはその通りだと、深くうなずく。先輩の夫人に教わらなくとも、それは少女の頃から実行している。

 贔屓の、橘屋・第十五代市村右左衛門は、舞台からは豆粒ほどにしか見えない観客の中から、新調した着物をまとう自分を見つけてくれるであろうという思い入れであきは観劇していた。

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執筆者プロフィール
佐野美和 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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