灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(13)

執筆者:佐野美和 2018年10月14日
タグ: 日本
エリア: アジア
まだ髷を結っていた頃の藤原あき。正確な撮影年は不詳。この後、あきは波瀾万丈の人生を送ることになる(自伝『雨だれのうた』(酣燈社)より)

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「待てど暮らせど来ぬ人を 宵待草のやるせなさ」

 竹久夢二作詞の流行歌の一節を、あきはひとり口ずさんでみる。

 自分は、いったい誰を待っているのであろう。

 二十代の健康な肉体に、全身にわたるハリのある肌、毎日鏡の前に座り施す化粧はぴたりと肌に吸いつき、赤い紅で仕上げれば匂い立つように美しいと、自分では思う。

カテゴリ: 社会 カルチャー
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執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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