灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(27)

執筆者:佐野美和 2019年1月20日
カテゴリ: 社会 カルチャー
エリア: アジア
若き日の藤原義江。撮影年は不詳だが、撮影者は、第2次世界大戦時、米日系人収容所で隠し持っていたレンズでカメラを作り、密かに収容所で暮らす日系人を撮影していたことで知られる写真家の宮武東洋(下関市の「藤原義江記念館」提供、以下同)

 義江が明治学院の寄宿舎生活を送っている最中、時代は明治から大正へと入っていた。

 義江の身元引き受け人・瓜生寅の下山秘書から明治学院に「瓜生危篤」の一報が入り、義江は急いで瓜生家に駆けつける。

 が、万事遅かった。

 邸内は、人力車や馬車でごった返し、屋敷の畳を踏めたのは到着してからどれくらい時間がすぎてからだろう。

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執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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