灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(34)

執筆者:佐野美和 2019年3月10日
エリア: ヨーロッパ アジア
若き日の藤原義江。撮影年不詳だが、撮影者は第2次世界大戦時、米日系人収容所で隠し持っていたレンズでカメラを作り、密かに収容所で暮らす日系人を撮影していたことで知られる写真家の宮武東洋(下関市「藤原義江記念館」提供、以下同)

 葬儀も一段落し、瓜生商会の重役たちと話し合いを持った。

 若くして突然亡くなったリードには遺言のようなものも無い。しかし生前に書かれた義江の洋行についての出費計画のメモに基づき、瓜生商会も金銭的な協力をしてくれるということで、義江の洋行は再び決定した。

 その後、コックの村田が言いにくそうに遠くを見ながら義江に語り出した。

カテゴリ: 社会 カルチャー
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執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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