文子は瓜生商会の倉本春吉に電報を打った。
大正九年五月十一日
オトコノコウマレタ
後日、文子から瓜生商会への手紙には、文子の達筆な毛筆で、
「子供も変わりなく元気にて、子供の名も主人航海中に洋太郎と名付くる様申し来たり早速戸籍簿に洋太郎として登記いたしたくご安心くだされ度先ずは御礼申し上げます。藤原文子」
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