饗宴外交の舞台裏 (249)

「皇室文化」の発展に寄与した「饗宴外交」の時代的意味

執筆者:西川恵 2019年4月25日
エリア: ヨーロッパ アジア
《入目籠形ボンボニエール》大正天皇即位礼 大正4年(1915) 学習院大学史料館蔵

 

 「明治150年記念 華ひらく皇室文化―明治宮廷を彩る技と美―」展が東京の学習院大学史料館と泉屋博古館(せんおくはくこかん)分館で開かれている。2018年から名古屋、秋田、京都を巡回し、2019年3月から最後の東京に移った。明治期の皇室文化にかかわる工芸品を中心とした品々を展示しているが、興味深いのは饗宴外交が皇室文化の発展に大きく寄与していることである。

意匠を凝らしたボンボニエール

 本展は、明治期における皇室の美術工芸品に対する育成・奨励・保護という側面から、絵画、調度品、衣装、食器など、さまざまな分野にわたる品々を展示している。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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