灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(60)

執筆者:佐野美和 2019年7月14日
自著『雨だれのうた』(昭和22=1947=年刊より。撮影年不詳だが、義江と結婚できた幸せの頂にいたころ)

 昭和14(1939)年の正月は鎌倉山の自宅で家族3人が揃って迎えることが出来た。それこそ世界を股にかけている夫が和服姿でくつろぎ、自分が作ったおせち料理を食べている姿と一緒に居られるというのは、あきの本懐でもあった。

「さ、“マメに健康”の丹波の黒豆もたべてくださいな。何よりもパパは健康第一ですからね。戦争だなんだでどうなっちゃうんでしょうね。今年こそは平和な世の中になって欲しいわ」

カテゴリ: 社会 カルチャー
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執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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