
自著『雨だれのうた』(昭和22=1947=年刊より。撮影年不詳だが、義江と結婚できた幸せの頂にいたころ)
昭和14(1939)年の正月は鎌倉山の自宅で家族3人が揃って迎えることが出来た。それこそ世界を股にかけている夫が和服姿でくつろぎ、自分が作ったおせち料理を食べている姿と一緒に居られるというのは、あきの本懐でもあった。
「さ、“マメに健康”の丹波の黒豆もたべてくださいな。何よりもパパは健康第一ですからね。戦争だなんだでどうなっちゃうんでしょうね。今年こそは平和な世の中になって欲しいわ」

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