岩瀬昇のエネルギー通信 (200)

劇的コストダウンを実現させた大手国際石油の「メキシコ湾」チャレンジ

執筆者:岩瀬昇 2019年12月23日
 

 かつては「ハバートの曲線」に代表されるように、再生不可能な石油の埋蔵量には限界があり、石油供給はいつか「ピーク」を迎えるものだ、との認識が大勢を占めていた。それが「ピークオイル論」だった。

 だが、筆者が『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?』(文春新書、2014年9月)で解説したように、「埋蔵量」とはその時々の経済条件と技術水準によって算定されるものだ。有限ではあるが、我々凡人の時間軸ではほぼ無限に近いものだ。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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