灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(104)

執筆者:佐野美和 2020年6月7日
カテゴリ: 政治
エリア: アジア
撮影年不詳ながら、義江との離婚、独り立ちを決意した頃のあき(自伝『ひとり生きる』=ダヴィッド社、1956年=より)

「国会の赤絨毯って、結構汚れているのね。がっかりしたわ。でもあれを取りかえるのは大変なことでしょうし、それも税金ですからね」

 あきは初登院の感想をこう話す。

 当選早々から、様々な集まりに引っ張りだこの毎日で息つく暇もない。

「私は女の幸福のために選挙に出たんです。ってなことを言いますと、ある外国人記者は『憲法が変わってから日本の女は十分幸福じゃないか』と言うんです。憲法は変わっても男の頭はちっとも変わっていない。法律には女をおとし入れる穴がいっぱいある。私はその穴をナラしてローラーをかけるために政治家になったのです」

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執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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