【特別連載】アフリカ開発会議「TICAD」誕生秘録 (4)

浮き彫りになった奇妙な構図

執筆者:白戸圭一 2020年8月8日
タグ: 日本
エリア: アジア アフリカ

 

 

 1990年7月17~19日の「平成2年度アフリカ大使会議」で、波多野敬雄国連大使(当時)がアフリカ開発会議(TICAD)の開催を提案し、小和田恆外務審議官(同)がこれに関心を示したことについては、本連載の2回目と3回目で詳述した。

 情報公開法に基づく開示請求によって筆者が入手した「平成2年度アフリカ大使会議討議概要」を読むと、この大使会議の主要議題は、(1)アフリカ諸国で始まった民主化への対応、(2)アパルトヘイト(人種隔離)政策廃絶に向けて動き始めた南アフリカ共和国(南ア)情勢──の2点だったことが分かる。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
白戸圭一(しらとけいいち) 立命館大学国際関係学部教授。1970年生れ。立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。毎日新聞社の外信部、政治部、ヨハネスブルク支局、北米総局(ワシントン)などで勤務した後、三井物産戦略研究所を経て2018年4月より現職。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『日本人のためのアフリカ入門』(ちくま新書)、『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』(新潮社)など。京都大学アフリカ地域研究資料センター特任教授、三井物産戦略研究所客員研究員を兼任。
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