【特別連載】アフリカ開発会議「TICAD」誕生秘録 (5)

「対南ア制裁解除」と連動した開催決定

執筆者:白戸圭一 2020年8月16日
カテゴリ: 政治
エリア: アジア アフリカ
 

 

 1990年7月の「平成2年度アフリカ大使会議」で波多野敬雄国連大使(当時)が「アフリカ開発会議(後のTICAD)」の開催構想を提案したものの、外務省内ではこの問題について大きな進展のないまま時間が経過した。

 アフリカ第2課の神谷武課長(当時)が南アフリカ(南ア)情勢への対応で忙しい状態も変わりなかった。

 年が明けて1991年2月、南ア情勢は歴史的な転機を迎えた。

 2月1日に開会した南ア国会で、フレデリック・ウィレム・デクラーク大統領(当時)がアパルトヘイト関連法の全廃を宣言したのである。

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執筆者プロフィール
白戸圭一(しらとけいいち) 立命館大学国際関係学部教授。1970年生れ。立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。毎日新聞社の外信部、政治部、ヨハネスブルク支局、北米総局(ワシントン)などで勤務した後、三井物産戦略研究所を経て2018年4月より現職。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『日本人のためのアフリカ入門』(ちくま新書)、『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』(新潮社)など。京都大学アフリカ地域研究資料センター特任教授、三井物産戦略研究所客員研究員を兼任。
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