「10年先取り」で加速する少子化:21年の雇用回復を歯止めにできるか

執筆者:鷲尾香一 2021年6月15日
エリア: その他
佐賀県玄海町の「浜野浦の棚田」で行われたオンライン婚活イベント。結婚=出産ではないが、2020年の婚姻数は戦後最少を記録した[農水省提供] ⓒ時事
2030年を予測されてきた「出生数80万人割れ」が今年にも現実化する可能性が高まってきた。コロナ禍の影響は濃厚だが、一方で婚姻数の回復という前向きな兆候もではじめている。婚姻数と密接な関係にある雇用の回復は、少子化対策としても重要だ。

 少子化が危機的な状況に陥っている。2020年の出生数は84万832人と過去最少となった。政府は新型コロナ禍の影響が出始めていると分析するが、影響が本格化するのは21年からだ。少子化の進行歯止めをかける施策はあるのか。

 厚生労働省が6月4日に発表した人口動態統計速報によると、20年の出生者数は84万832人と前年比2.8%の減少となる。1人の女性が出産可能とされる15歳から49歳までに産む子供の数の平均である合計特殊出生率は1.34人と、前年の1.36人から5年連続で低下した。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
鷲尾香一(わしおこういち) 金融ジャーナリスト。本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。
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