「平和構築」最前線を考える
「平和構築」最前線を考える (30)

アフガニスタン「敗戦」の検証(2)
「タリバン抜き」で始まり「タリバンとの和平」に終わったアメリカ平和構築の必然的迷走

執筆者:篠田英朗 2021年8月26日
エリア: アジア 中東 北米
2001年12月、ドイツ・ボン郊外で暫定政権樹立の合意文書(ボン合意)に調印するアフガニスタン4派代表(前列)。後列左から2人目がシュレーダー独首相、その右隣がブラヒミ国連事務総長特別代表(いずれも当時)(C)AFP=時事
「アフガニスタンはパシュトゥーン人でなければ統治できない」――アメリカによる平和構築のプロセスを振り返れば、この「仮説」が国家建設の枠組みを決定的に歪めていた。2001年ボン合意から2020年ドーハ合意までの迷走の根源を探る。

「アメリカはアフガニスタンについて無知で傲慢だから失敗した」と言われる。そうかもしれない。だが、それは具体的な政策レベルでは、何を意味しているだろうか。アフガニスタン平和構築の枠組みに沿って考えてみたい。

タリバン不在のまま締結された和平合意

 アフガニスタンの平和構築の枠組みを語るときに、ほぼ定説になってきているのが、「ボン合意の不適切さ」である。

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カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
篠田英朗 東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。1968年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、同大学大学院政治学研究科修士課程、ロンドン大学(LSE)国際関係学部博士課程修了。国際関係学博士(Ph.D.)。国際政治学、平和構築論が専門。学生時代より難民救援活動に従事し、クルド難民(イラン)、ソマリア難民(ジブチ)への緊急援助のための短期ボランティアとして派遣された経験を持つ。日本政府から派遣されて、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)で投票所責任者として勤務。ロンドン大学およびキール大学非常勤講師、広島大学平和科学研究センター助手、助教授、准教授を経て、2013年から現職。2007年より外務省委託「平和構築人材育成事業」/「平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業」を、実施団体責任者として指揮。著書に『平和構築と法の支配』(創文社、大佛次郎論壇賞受賞)、『「国家主権」という思想』(勁草書房、サントリー学芸賞受賞)、『集団的自衛権の思想史―憲法九条と日米安保』(風行社、読売・吉野作造賞受賞)、『平和構築入門』、『ほんとうの憲法』(いずれもちくま新書)、『憲法学の病』(新潮新書)など多数。
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