見えてきた「中国スマホメーカーがEV市場を席巻する日」:電子部品メーカー進出で「ケイレツ」も激変

執筆者:湯浅健司 2021年8月31日
タグ: 中国 脱炭素
エリア: アジア
小型EV「五菱宏光MINI」の大ヒットで廉価版EV市場が急拡大いている(写真は上汽通用五菱汽車の公式サイトより)
中国の電気自動車(EV)市場は、米テスラが牽引する時代から中国メーカー台頭へとそのトレンドを変えている。スマホで米アップルを抜いた「小米」の参入のみならず、「五菱宏光MINI」など安価な小型車で海外市場を狙う動きも活発化。電子部品メーカーが車載電池の有力企業に育つなど、ガソリン車を前提にした従来の産業ピラミッドも大きく姿を変えつつある。

   中国の自動車業界が電気自動車(EV)を飛躍台に、大きく変わろうとしている。ガソリン車の低迷をしり目に販売台数が急速に拡大し、携帯電話メーカーが生産計画を打ち出すなど異業種からの新規参入組が現れ始めた。完成車だけでなく、車載電池やモーターなど従来のガソリン車にはなかった部品を手掛ける中国企業も次々と登場している。外資主導で成長してきた中国の自動車産業は新たなサプライチェーンを構築し、ようやく自主独立の道へと歩み出すのかもしれない。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
湯浅健司(ゆあさけんじ) 日本経済研究センター首席研究員兼中国研究室長。1984年早稲田大学政治経済学部経済学科卒、日本経済新聞入社。北京支局、上海支局、東京本社国際本部アジア担当部長、東京本社産業部長、グローバル事業局次長などを歴任。中国のマクロ・ミクロ経済、アジア経済全般を専門とする。共著に『復興する中国』(文眞堂)、『米中激突 中国ビジネスの行方』(文眞堂)、『中国 創造大国への道 ビジネス最前線に迫る』(文眞堂)がある。
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