やっぱり残るは食欲
やっぱり残るは食欲

転換食事

執筆者:阿川佐和子 2024年10月3日
タグ: 日本
エリア: アジア
朝食に食べるパン、美味しいですよね(写真はイメージです)

 朝食はだいたいパンである。ときどきいいアジの干物が手に入ったり、卵かけご飯や納豆ご飯が食べたくなったりしたとき、前夜に炊いたご飯とみそ汁を添えて和食にする日もある。あるいは健康のことを考えてオートミールにする場合もないわけではないが、それは年に数えるほど。

「どうする、パンにする?」

「そうだね、パンだね」

 最小限の夫婦の会話により、たいていパンと決まる。

 パンと決まって、さておかずはどうするか。時間がないときは、パンを焼いて、バターとジャムやらはちみつやらをつけるだけ。飲み物はコーヒーか紅茶。ジュースの買い置きがあるときは、飲む。ないときは省略。しっかり食べたい気分の朝は、卵料理をつくる。目玉焼きか半熟ゆで卵。サラダを作ったりソーセージを焼いたりすることもある。

 パンの種類は決まっているかと問われたら、まったく決まっていない。イングリッシュマフィン、食パン、フランスパン、クロワッサンなど、その都度の気分でパンを選んで買う。

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
阿川佐和子(あがわさわこ) 1953年東京生まれ。報道番組のキャスターを務めた後に渡米。帰国後、エッセイスト、小説家として活躍。『ああ言えばこう食う』(集英社、檀ふみとの共著)で講談社エッセイ賞、『ウメ子』(小学館)で坪田譲治文学賞、『婚約のあとで』(新潮社)で島清恋愛文学賞を受賞。他に『うからはらから』、『レシピの役には立ちません』(ともに新潮社)、『正義のセ』(KADOKAWA)、『聞く力』(文藝春秋)など。
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